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2002年 10月 30日
白血病治療などに効果
「わたしの臍帯血使って下さいね....」というテレビCMがある。その影響で(?)時々臍帯血の提供を申し出られる事がある。 しかし、残念ながら石川県にはまだ臍帯血を扱う医療機関はない。日本には臍帯血バンクネットワークというものが存在するのだが、石川県にはそのネットワークに参加している医療機関が(私の調べた限りでは)ないので、現実問題としては県内でお産する人は無理と言える。 臍帯血とは、文字どおり臍帯から採取した血液のことである。 以前から白血病や再生不良性貧血などの治療に骨髄移植を行うことがある。骨髄には赤血球や白血球のもとになる造血幹細胞がふくまれており、臍帯血にはさらに多くの造血幹細胞が含まれているといわれている。臍帯血輸血は白血病や再生不良性貧血の治療に、より効果的である。 移植には適合性というものが問題になるが、臍帯血輸血は骨髄移植よりも適合性は厳しくはない。採取法も痛みを伴わず簡単であるという利点がある。 少し意味あいが違うが、臍帯血を保存して十年ほどあずかるという私的企業がある。十数万円の費用がかかる。ただしこれは生まれた子が将来、もし万が一白血病になったときには、その臍帯血を本人に利用できるというシステムであり、確率的にも自分の子供が臍帯血輸血を必要とする白血病になるのは極めて稀であり、意味があるかどうかは個人の考え方による。 実際には費用がかなりかかるらしいが、毎日の分娩で、本来なら簡単に捨ててしまう臍帯血が白血病などの難病に困っている人たちの役にたてるなら、そんな良いことはない。一日も早く、石川県でも公的病院を中心として臍帯血ネットワークに参加し、臍帯血をだれでも提供できるシステムを完備すべきであろう。
by sugiura_clinic
| 2002-10-30 15:47
| コラム
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